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「のみとり侍」あす公開 江戸の愛は奇想天外!? エッチで、おかしくて…ちょっと切なく

2018/05/16 17:11
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「のみとり侍」あす公開 江戸の愛は奇想天外!? エッチで、おかしくて…ちょっと切なく

 テレビドラマで数々の受賞歴を持つ鶴橋監督を慕う俳優は数知れない。本作出演俳優も「鶴橋監督が大好き」(寺島しのぶ)、「優しい監督で尊敬している」(豊川悦司)、「鶴橋さんの喜ぶ顔が見たくて参加した」(大竹しのぶ)と絶大な信頼感を持つ。主演の阿部寛は「大変なプレッシャーはあったが、光栄です」と語るほど。人間の業を見つめる鶴橋監督が「滑稽(こっけい)だが、愛(いと)おしい」人たちの人間模様を明るく元気にスクリーンに映し出した。

 寛之進(阿部)は世間知らずの堅物。ひたすら真面目な性格から、のみとり業にもまい進する。だが、イケメンにもかかわらず、初めてのお客となった妾のおみね(寺島)は不満たらたら。おろおろする寛之進の姿が笑いを誘う。その研究熱心さとばかばかしさは、寛之進だけ内面をナレーションで表す演出でいっそう浮き彫りになり、少しエッチな場面もクスクスと頬を緩めながら楽しめる。

 おみねも、きっぷの良さと男性をとりこにする積極的な振る舞いの二面性を発揮して大いに笑わせてくれる。寺島の甘い声色と、啖呵(たんか)のきいた歯切れのいい芝居が光る。寺島は回想シーンで、寛之進の凜(りん)とした亡き妻・千鶴も演じ、演技の幅の広さを見せてくれる。鶴橋組を楽しんで演じている様子も伝わってくる。

 鶴橋組の常連といえば、寛之進の「のみとり」指南役を務める清兵衛を演じた豊川もその一人。小間物問屋「近江屋」の入り婿だが、気性が激しい恐妻おちえ(前田敦子)の浮気防止策(?)は爆笑もの。清兵衛とおちえ、生粋のプレーボーイと奇想天外な愛情表現で迫る若妻夫婦のはじけっぷりは、本作のいわばサイドストーリー。

 男女の関係性は今の時代にも通じるお話になっている。清兵衛が、自分と妻のやりとりを寛之進に語る場面も芝居がかっていておかしさ満点。前田はいわばドSな鬼嫁役で、そのはっちゃけた演技と毒舌ぶりは作品に躍動感を加えている。

 寛之進を世話するのみとり屋の親分、甚兵衛(風間杜夫)とその妻お鈴(大竹)は、鶴橋組のベテラン2人が演じる。面倒見はいいが勘違いも甚だしい甚兵衛と、寛之進ののみとりの素質を見抜くお鈴。いささか大げさに芝居じみた口調でメリハリを付け、一般庶民の自由奔放さやエネルギーをも代弁する演技で、映画全体を引き締めている。その演技の豊かさは鶴橋組の安定感にもなっている。

 さらに、寺子屋の貧乏先生、友之介役で斎藤工が出演。アクの強い登場人物の中で、誠実に生きる若者像を淡々と演じ、さわやかな風をスクリーンに吹かせた。

 本作に登場する人物は、寛之進を筆頭にみな一生懸命に生きている。情けなくて、おっちょこちょいで、少し切ない市井の人たち。映画は笑って、ニヤッとして、また笑ってをリフレイン。いい心持ちで映画館を出ることができる作品をお楽しみください。

 越後長岡藩の勘定方書き役でエリートコースを走る小林寛之進は、歌会の場で藩主・牧野備前守忠精に恥をかかせたとして左遷。江戸の貧乏長屋で、猫ののみとりを命じられる。寛之進は、のみとり屋の親分夫婦の指導で猫ののみとり業を始めたが、猫ののみとり業とは、実は女性に愛をご奉仕する添い寝業。初めてのお客から「下手くそ」と言われ意気消沈したものの、その生真面目さゆえに、大店(おおだな)の伊達(だて)男、清兵衛の指導を受け一人前ののみとり侍になっていくのだが……。

 映画「のみとり侍」は、小松重男の短編集「蚤とり侍」(光文社文庫、713円)所収の三つの小説を脚本化した。綿密な時代考証で知られる著者の作品は「江戸時代にこんな不思議な職業が、と驚く題材を探し出し、たくさんの小説を書かれている」と鶴橋康夫監督も驚くほど。30年ほど前、初版を手にした監督は以来、映画化をあたため続けてきたという。

 短編集には、将軍に鰈(かれい)の煮付けを出す際は必ず次の間に控えている「骨とり侍」を描き、直木賞候補にもなった「鰈の縁側」のほか、市井の人々の生活や人情がしみじみと伝わる作品が収められている。

出典: mainichi.jp

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