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大阪・釜ケ崎舞台に 笑いで再開発の矛盾突く

2017/12/28 11:38
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大阪・釜ケ崎舞台に 笑いで再開発の矛盾突く

 労働者の街・大阪市西成区の釜ケ崎地区で撮影した喜劇映画「月夜釜合戦」が大阪市西区のシネ・ヌーヴォ(29日まで上映)ほか、京都、神戸などでも順次公開される。地区には外国人旅行客が大挙して訪れ、大型ホテルの進出計画も浮上。変容が進む中、高齢化する労働者や路上生活者らが取り残されないかと疑問を抱く佐藤零郎(れお)監督(36)が手がけた。佐藤監督は「現状への異議申し立てを、笑いとともに描きたかった」と語る。

 作品は落語の「釜泥」をモチーフにした。釜ケ崎地区で、ある理由から釜が高騰。一獲千金を狙う泥棒の主人公に労働者や暴力団員、活動家や再開発をもくろむ企業などが入り交じり、釜を巡って繰り広げる争奪戦と大騒動をユーモラスに描く。太田直里、川瀬陽太さんらが出演。

 佐藤監督は2005年から、ドキュメンタリー作品の制作を始めた。09年には、07年の大阪・長居公園のテント村の強制撤去に、芝居で対抗する野宿生活者らの姿を追ったドキュメンタリー「長居青春酔夢歌」を発表。この作品では、テント村に3カ月住み込んで撮影した。08年の釜ケ崎での暴動の模様も撮影したことなどを機に、釜ケ崎地区に出入りするようになり「いつか釜ケ崎で映画を撮りたい」と考え始めた。

 このドキュメンタリーの撮影で出会った男性が芝居に参加するうち「フィクションだったら本音を言える」と話したことが心に残っていた。加えて「強制代執行に、芝居という創造的な行為で対抗することにも可能性を感じた」と語る。こうしたことが今回の作品につながった。佐藤監督は「釜ケ崎を撮るなら、劇やなという直感があった」と振り返る。

 映画の撮影のために約3年前から、地区内にある三角公園での炊き出しの手伝いにも定期的に参加するようになった。「『炊き出しの釜をとられた』など、地元のおっちゃんらから聞いたエピソードも作品に取り入れた」と語る。俳優に交じり釜ケ崎の「おっちゃん」らも出演している。

 撮影は16ミリフィルムを選んだ。「デジタルでなく、16ミリのざらっとした映像なら、釜ケ崎の街のにおいを記録できるんじゃないか」と考えたためだ。予算の制約から撮り直しは最小限に抑えることとなり、撮影に緊張感が生まれたという。

出典: mainichi.jp

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