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子どもの可能性を拓くスキルはコレだ

2018/01/12 1:00
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子どもの可能性を拓くスキルはコレだ

イベントでは3人の特待生以外にも、中学1年生から大学3年生で構成されたRyukyufrogs9期生のサービスプレゼンや、国内・海外の第一線で活躍する起業家や投資家たちによるコラボセッション、沖縄の伝統文化を継承しながら進化を続けるスーパーパフォーマンスなど、注目の内容が目白押しです。9回目を迎えた今年は500人の定員を超える来場があり、会場に入りきらない参加者は本会場の中継をするサテライトホールで参観するなど、過去最高の約630人が集まりました。

オープニングではイベントを盛り上げるパフォーマンス集団による踊りや、国内外から来沖したスペシャルゲストの皆さんが「起業家育成の課題と未来」や「東京のスタートアップ事情と成功事例」などをテーマにしたトークセッションがあり、会場の雰囲気は常に最高潮です。

特待生のトップバッターでプレゼンテーションをしたのは大嶺結葉さん(小学5年生)です。結葉さんが開発したのはiPhoneアプリ「Veg-菜(ベジーナ)」です。周囲の人にベジタリアンを理解してもらうため、ベジタリアンの種類や代替食品を学ぶことができるアプリを開発しました。外国人が飲食店で言葉が通じなくても、自身がベジタリアンということをお店の人やシェフに伝えられるように、多言語で表示する機能などを揃えているなど、世界を意識したアプリになっています。

「〝Veg-菜〟には4つの機能がついています。1つ目は、今後増えると予想される外国人のために3カ国語対応にしています。2つ目にベジタリアンのことを知らない人にも理解をしてもらうための分類を調べる機能、3つ目は代替食品を調べられる機能をつけています。4つ目は、シェフとのコミュニケーションに使える機能をつけました。ベジタリアンの人もそうでない人にも使ってもらえるように考えて設計しましたが、今後はレシピも載せるなどより使いやすいように改良したいと思っています。2020年に向かって、ベジタリアンでも楽しめる日本にするために、私はこのアプリを作り続けます」とプレゼンテーションしました。

冒頭から、自身の経験課題と世界を見据えた視点で話す姿は、小学生がプレゼンテーションをしていることを忘れさせるほど会場の注目を集めました。さらに、今回開発したアプリに満足することなく、今後も継続的に開発を続けることを宣言したことで、小学生とは思えない意志の強さを見せた結葉さん。

特待生2人目のプレゼンテーションは、伊佐森智君(小学5年生)です。森智君が開発したのはWebアプリ「IT日本一周」です。全国の都道府県名や県庁所在地などをゲーム感覚で覚えられるよう開発されたアプリは、日本地図を歩いて作った伊能忠敬の頭文字から「IT日本一周」としています。覚えるのが大変な勉強でもやり方を変えることで楽しく覚えられるように、との視点で創られています。

「ゲームを始めると各都道府県の県庁所在地や特産品などを覚えられるように、その県にちなんだ県庁所在地のほかに、有名な観光地や動物など3つのクイズが出てきます。全ての県をクリアすると伊能忠敬が去っていく場面を作るなど、ゲーム性も取り入れています。アプリの特徴として『楽しく都道府県を覚えられること』と『県庁所在地などが出てくるので都道府県に詳しくなれること』。このアプリを使って都道府県マスターになってください」とプレゼンテーションしました。

小学生として感じる課題を、子どもが好きなゲームと組み合わせることで解決する発想は子どもらしくも、プレゼンを見ている人は「自分の出身地はどんな問題が出てくるんだろう?」と興味をそそるプレゼンテーションになりました。年齢関係なく遊びながら学べる内容は、勉強を始めるきっかけとして今後の発展も期待できる発表になりました。

最後に登壇したのは新垣聖咲さん(小学6年生)です。聖咲さんが開発したのはiPhoneアプリ「スマイルキャッチ」です。“親が聴覚障がいで子どもは聞こえる”という場面と“子どもが聴覚障がいで親は聞こえる”という場面を想定して開発されたアプリです。肢体や言語に障がいがある親戚のおばあちゃんとの関わりから、言語によるコミュニケーションの難しさを感じたことで、そのような悩みを持つ人たちの助けになりたいと思い作られたアプリです。

「『スマイルキャッチ』は耳が不自由な親子のコミュニケーションをスムーズに行うアプリで、親用と子ども用の2つの機能をつけています。親用の機能には、常識や基本的なマナーを教えられるように『ありがとう・ごめんね・おねがい』の例え話を入れています。伝えたことを子どもができた時には『できたボタン』を押すと星が付くようになっています。子ども用の機能には、かわいいイラストと私の音声を吹き込んでいるので、幼い子どもが楽しく使えるようにしました。親子のコミュニケーションの手段として、もっともっとお話するきっかけとしてスマイルキャッチを使ってください」とプレゼンテーションしました。

〝聴覚障がいがある人とのコミュニケーション〟を解決するためのプレゼンテーションで聴衆の心をつかんだ聖咲さん。テクノロジーが発展している現代だからこそ実現できたアイデアに、来場者自身も人々が社会課題について考えさせられたように感じました。

小学生がプログラミングを学ぶ必要があるのか疑問に思う方も多くいると思いますが、子どもだからといって、子どもだましのような環境を与えるのではなく〝プログラミングを武器として扱う方法を教える〟ことで、子の可能性は大人の想像を超えて高まると思っています。

そういう意味でも、半年間にわたり大人と同じ環境でプログラミングを学び、オリジナルアプリを開発し、大勢の前で自分のアイデアや思いを発信したことで、3人は大きな転機を迎えたとともに、彼ら彼女ら自身に大きな変化が起き始めています。

例えば、ゲストだけではなく参観されていた多くの大人から「小学生とは思えない素晴らしいプレゼンテーションでした」「熱意や思いが伝わってきました」などの感想を多くいただことで、今後の活動も注目されることでしょう。さらに、当日の特待生のプレゼンテーションの様子がSNS等で情報を発信されたことで、日本各地のメディアから取材の問い合わせも寄せられています。

学びの成果をオリジナルアプリというカタチにし、大きな舞台でプレゼンテーションした3人からは「達成感がすごい」「これからさまざまなことに挑戦しても乗り越えられる気がする」などの声が上がっています。特待生としての活動が一区切り付いたことで、早くも「刺激がほしい」と思い始めているようです。彼らならこれからも、より多くの人のためになる活動をしていくと確信しています。

昨今、プログラミング教育がブームとなっていますが、プログラミング教育はおもちゃでも単なる習いごとでもありません。自分のアイデアを形にするためのツールであり、これから生き抜く上で必要な手段です。大人と同等の環境でプログラミングを学ぶことで、大人になるのを待たなくても同じ土俵で闘える力を得ることができて自分の夢も叶えられます。

これから誰も経験したことがない時代が訪れるからこそ、既存の枠にとらわれずに子どもの可能性を信じてチャンスの場をつくっていく―。そんな環境が広がることで、明るい未来を創っていけると思っています。

今回ご紹介した3人の子どもたちのように、自らのアイデアを自らの力で形にできる人が、これからの沖縄、そして世界を変える人になると信じています。

学習意欲の高い沖縄県内の小学生を対象に、沖縄の未来を担うハイブリッド人財を育成・輩出することを目的とした特待生制度。選ばれた小学生はApple社の開発ツール「Xcode」を使ったiPhoneアプリ開発や、HTMLやJavaScriptを用いたWebアプリ開発を半年間計100時間のプログラミング学習を無償で受けることができる。Tech Kids School沖縄那覇校を運営するシーエー・アドバンスと、中学生~大学生を対象に米国シリコンバレー派遣研修などのプログラムを実施するRyukyufrogsが2015年に設立し、2015、16年度で計4人の小学生を育成している。

出典: ryukyushimpo.jp

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