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敵ばかりの習近平国家主席――鍵を握る「江派二号人物」

2017/06/30 7:03
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敵ばかりの習近平国家主席――鍵を握る「江派二号人物」

 卒寿を過ぎた超高齢の江沢民が危篤(や死亡)との情報が幾度か流れる中、実のところ長年、国内外で絶大なる力を発揮してきたのが、別名「江派二号人物」、曽慶紅元国家副主席である。太子党に属する曽慶紅は、江沢民が上海市委書記となった1987年以降、側近中の側近としてロケット出世を遂げていく。1989年6月の天安門事件を契機に北京入りし、総書記へと昇格した江沢民国家主席のもとで、中央弁公庁副主任となり主任へと昇格。胡錦濤政権が発足した2002年11月の第16期党大会では、チャイナナイン(中国共産党最高指導部・中央政治局常務委員9人)の序列5位に収まっている。 曽慶紅氏  曽慶紅が30年余り、江沢民にとって最重要の腹心だった背景について、複数の中国メディアは「特務工作と国内外でのネットワーク構築にある」「巨大な情報帝国を築き上げた」と総括している。香港は「一国二制度」の仮面を被った共産党支配の地に変わり果てたが、香港・マカオ工作部門の主管を務めたのも曽慶紅で、そのシステムと影響力が今日まで続いているという。  曽慶紅が手掛けた特務工作と工作員の中で、大出世した1人が〝世界のメディア王″ルパート・マードックの3番目の妻となった(2013年に離婚)ウェンディ・デン(鄧文迪/本名は鄧文革)である。ドナルド・トランプ大統領の長女イヴァンカの親友としても知られ、英国のトニー・ブレア元首相との恋仲の噂や、プーチン大統領との密会の噂が報じられるなど超大物セレブだが、豪州紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』などは、曽慶紅とウェンディ・デンとの密接な関係について、早くから指摘していた。仔細な内容については、拙著『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)に記したのでここでは省く。 ウェンディ・デン女史とルパート・マードック氏  もう一人、曽慶紅につながる〝旬″な人物が米国にいる。名前は郭文貴(別名は郭浩雲・1967年生まれ)。曽慶紅の側近として海外のスパイ工作の胴元だった馬建・前国家安全部副部長の手足となり、北京五輪前にごっそり儲け、汚職にまみれ、馬建副部長が失脚した2015年に、中国の恥部を握り香港から米国への逃亡に成功した人物である。 郭文貴は、米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)他、米メディアのインタビューを積極的に受け、ツイッター等でも中国高官の恥部を暴露するなど、やりたい放題であることから〝お騒がせ大富豪″と注目されている。「馬建・国家安全部副部長を通じて、外国の要注意人物に接触する任務を与えられてきた」とも主張する郭文貴は、「習近平の委託を受けてダライ・ラマ14世に接触し、ダライ・ラマの書いた習近平宛ての手紙を預かったこともある」と、その言葉を裏付けるかのようにダライ・ラマと親しげに話す写真も公開している。  曽一族は国内、香港・マカオ、豪州やニュージーランド、シンガポールなど海外に総額約400~450億元(約6400億~7200億円)の資産を持つ大富豪で、曽慶紅の息子の曽偉とその家族はシドニーで過去最高となる5400万豪ドルで大豪邸を購入し、豪州籍を取得している。  最近、郭文貴が中国共産党幹部の内実をことさら騒ぎまくっている背景には、曽慶紅一族を含む江沢民派の資産運用や管理を任された富豪の肖建華が、中国当局によって香港から本土に連行された事件とも関係があるらしい。中央紀律検査委員会が曽慶紅とその弟、曽慶淮・元文化部特別巡視員に対して、一族の汚職や腐敗の実態問題で事情聴取を行ったとの報道もある。 郭文貴氏  習近平国家主席と序列6位の王岐山中央紀律検査委員会書記が、この数年、果敢に進める粛清だが、本丸ターゲットの1組が「江派二号人物」の曽慶紅とその一族なのだ。ただ、冷静に見れば、習近平と曽慶紅の関係も相当に不可解だ。中国共産党第16期全国党大会で曽慶紅にとって人生最高のキャリアへと上りつめ、第17期全国党大会(2007年11月)を経て、翌春の全国人民代表大会(国会に相当)で正式に引退をした。その際、それまでの曽慶紅のポジション(国家副主席・中央書記処常務書記・党中央党校校長)をそっくり引き継いだのは習近平である。  胡錦濤前国家主席も長年、側近中の側近として党中央弁公庁主任を任せていた令計画とその一族に見事に裏切られたが、中国が「昨日の友は今日の敵」「面従腹背」の〝騙し合い社会″であることが分かる。 0

 卒寿を過ぎた超高齢の江沢民が危篤(や死亡)との情報が幾度か流れる中、実のところ長年、国内外で絶大なる力を発揮してきたのが、別名「江派二号人物」、曽慶紅元国家副主席である。太子党に属する曽慶紅は、江沢民が上海市委書記となった1987年以降、側近中の側近としてロケット出世を遂げていく。1989年6月の天安門事件を契機に北京入りし、総書記へと昇格した江沢民国家主席のもとで、中央弁公庁副主任となり主任へと昇格。胡錦濤政権が発足した2002年11月の第16期党大会では、チャイナナイン(中国共産党最高指導部・中央政治局常務委員9人)の序列5位に収まっている。

 曽慶紅が30年余り、江沢民にとって最重要の腹心だった背景について、複数の中国メディアは「特務工作と国内外でのネットワーク構築にある」「巨大な情報帝国を築き上げた」と総括している。香港は「一国二制度」の仮面を被った共産党支配の地に変わり果てたが、香港・マカオ工作部門の主管を務めたのも曽慶紅で、そのシステムと影響力が今日まで続いているという。

 もう一人、曽慶紅につながる〝旬″な人物が米国にいる。名前は郭文貴(別名は郭浩雲・1967年生まれ)。曽慶紅の側近として海外のスパイ工作の胴元だった馬建・前国家安全部副部長の手足となり、北京五輪前にごっそり儲け、汚職にまみれ、馬建副部長が失脚した2015年に、中国の恥部を握り香港から米国への逃亡に成功した人物である。

 曽一族は国内、香港・マカオ、豪州やニュージーランド、シンガポールなど海外に総額約400~450億元(約6400億~7200億円)の資産を持つ大富豪で、曽慶紅の息子の曽偉とその家族はシドニーで過去最高となる5400万豪ドルで大豪邸を購入し、豪州籍を取得している。

 最近、郭文貴が中国共産党幹部の内実をことさら騒ぎまくっている背景には、曽慶紅一族を含む江沢民派の資産運用や管理を任された富豪の肖建華が、中国当局によって香港から本土に連行された事件とも関係があるらしい。中央紀律検査委員会が曽慶紅とその弟、曽慶淮・元文化部特別巡視員に対して、一族の汚職や腐敗の実態問題で事情聴取を行ったとの報道もある。

 習近平国家主席と序列6位の王岐山中央紀律検査委員会書記が、この数年、果敢に進める粛清だが、本丸ターゲットの1組が「江派二号人物」の曽慶紅とその一族なのだ。ただ、冷静に見れば、習近平と曽慶紅の関係も相当に不可解だ。中国共産党第16期全国党大会で曽慶紅にとって人生最高のキャリアへと上りつめ、第17期全国党大会(2007年11月)を経て、翌春の全国人民代表大会(国会に相当)で正式に引退をした。その際、それまでの曽慶紅のポジション(国家副主席・中央書記処常務書記・党中央党校校長)をそっくり引き継いだのは習近平である。

 胡錦濤前国家主席も長年、側近中の側近として党中央弁公庁主任を任せていた令計画とその一族に見事に裏切られたが、中国が「昨日の友は今日の敵」「面従腹背」の〝騙し合い社会″であることが分かる。

出典: vpoint.jp

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