作家の横山秀夫さんに、文芸を取材してきた記者がロングインタビューをしました。マンガ編集者からのダメだしと向き合った日々、日航機事故への思い、そして近く刊行予定の新作にいたるまで。2017年4月から18年11月にかけて掲載された記事を、まとめてお届けします。
新刊について話を聞き、インタビュー記事にする。警察組織に向けるまなざしの深さや、身を削るようにして書くスタイルに感嘆したものの、それは文芸記者にとって日常的な仕事の一つだった。
横山さんの人と作品について切実に考えるようになったのは、直木賞で落選した「半落ち」をめぐる取材からだ。事実誤認に基づく選考委員の指摘に怒りつつも、まだ直木賞への態度を公式に表明していなかった横山さんに決別宣言をさせてしまった。それは、自分の立ち位置を考えなおす契機となった。
出典: asahi.com