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焦点:離脱控えた英国で空前の倉庫争奪戦、企業が在庫積み増し

2018/12/07 4:54
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[レイトンバザード(英国) 5日 ロイター] - ロンドンの北約64キロに位置する巨大な倉庫群では、スタッフが出来る限りたくさんの荷物を詰め込もうと躍起になっている。英国の欧州連合(EU)離脱を控え、在庫を増やそうとする企業の倉庫需要が急増しているのだ。

物流倉庫会社ミニクリッパー・ロジスティクスは通路を狭めて棚数を増やした。EU離脱(ブレグジット)に備えて保管スペースの争奪戦が激化する中、同様の工夫が英国全土の倉庫でも広がっている。

英議会が11日に予定されている採決でメイ首相のEU離脱案を否決すれば、世界5位の経済を擁する英国は、最大の貿易パートナーであるEUから混乱の中で離脱する羽目に陥る。

そうなれば、国境検査や港湾のまひ、道路の大渋滞が発生し、英国とEUの間を行き来する5400億ドル(約61兆円)相当の物流が脅かされ、製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)や日用品大手ユニリーバなどの企業にもダメージを与えるのではないか、と企業経営者は心配している。

その結果、来年3月29日に予定されるEU離脱を控えて、英航空・防衛大手のロールスロイスから、欧州の航空機大手エアバス、小売店、製造業、食品会社に至るまで、あらゆる企業が在庫を積み増している。注目された英国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、11月の生産増は在庫の増加が一因だったことを示している。

冷凍・冷蔵倉庫のオーナーは、来年半ばまで予約で埋まっていると語る。製薬会社に6週間分の在庫を確保させる指示が達成困難だと判明した英国政府は、薬品用保管庫の新設を要請しなければならなかった。

スペースの種類も変化している。通常であれば、必要に応じて部品等を取り出せる棚付きのスペースを求めるが、現在は、棚を外して、完成品をまとめて床から積み上げたいという需要が多いという。

国内に185万平方メートルに上る倉庫スペースを所有する同社だが、コルマンCEOは、これほど一斉に製造会社が保管場所の確保に動く事態は、これまで経験したことがないと話す「企業は、破産しない範囲でできることは何でもやっている」という。

オンライン倉庫検索サイト「ストウガ」の責任者チャーリー・プール氏は、英国全体でみれば十分な倉庫スペースがあると話す。ただ必ずしも必要な場所にあるわけではないため、企業側にはコスト上昇要因になっているという。

ストウガによると、国内倉庫の平均賃料は、9月はパレット1つ当たり週1.85ポンド(約265円)だったが、現在では同2ポンドを超えた。ロンドンではそれよりずっと高い。これまでストウガの顧客は中小企業が中心だったが、先月は大企業との取引が増えた。

前出したミニクリッパーが所有するある倉庫の稼働率は、先月99.9%に達した。軒先約15メートルの高さまでエアコンやスポーツ用品、化粧品や健康食品のパレットが積み上がっている。

離脱推進派は以前から、外交・通商政策に戦後最大の変化を引き起こすEU離脱が実施されれば、当初は経済に打撃を与えるが、長期的には新たな通商協定が恩恵をもたらす、と主張してきた。

6カ月前の時点では、顧客は準備するには予想されるシナリオが多すぎると感じていた、とウィンカントンのコルマンCEOは語る。今も不透明さは残るが、彼らは実際に行動を起こさなければならなくなった。

ネット通販の浸透があまりにも急だったため、それまで英国中部の物流センターに依存していた他の企業は、より迅速な配達を確実にするため、全土に物流拠点を持たなければならなくなった、と法律事務所アドルショー・ゴッダードで不動産を担当するキャサリン・ファーヘッド氏は説明する。

デベロッパーは近年、多層式駐車場を物流センターに改築したり、地下に巨大物流施設を建設する許可を取り付けたほか、住宅に隣接した地域での倉庫建設も増やしている。これは、建築許可を得るとともに、物流施設で働く人も確保しやすくするためだ。

ネット通販向け施設に集中してきたことで、倉庫物流業界は、現在必要とされる多数のテナント向けの投機的倉庫を十分に建設してこなかった。英不動産業者サヴィルズによると、2009年に約870万平方メートルあった空きスペースは、2018年には260万平方メートルしかなかった。

商業不動産会社ジョーンズラングラサール(JLL)は、英国最大の貿易取扱額を誇るヒースロー空港の近くに、国内最大級の空き倉庫「カーゴ777」を所有。白と灰色と黒の外観で、最近改装された同施設の床面積は約7500平方メートルで、物流業者に貸し出される予定だという。

出典: jp.reuters.com

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