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福岡市で救急車の寄贈、なぜ多い 全体の3割 他市からせん望の声 車体に名前記載、限度まで活用 市の粋な“恩返し”が好評

2017/12/07 9:01
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福岡市で救急車の寄贈、なぜ多い 全体の3割 他市からせん望の声 車体に名前記載、限度まで活用 市の粋な“恩返し”が好評

 福岡市・天神の街中を走る救急車の車体に気になる文字を見つけた。「さなえこ号」。市消防局に聞くと、救急車を寄贈した人が名付けており、中には動物や惑星のイラスト入りの車もあるという。市内を走る救急車のうち3分の1を寄贈分が占め、他市からは「そんなに多いのか」と驚きの声も上がる。

 市消防局に残る記録によると、最初の救急車寄贈は1937年。現在までに15人の個人、13の企業や団体から34台が贈られ、うち11台が現役で、市内を走る29台の3分の1を超す。

 人口規模の近い市に、現役の救急車中何台が寄贈か尋ねると、神戸市33台中5台▽京都市31台中0台▽川崎市27台中0台-と、福岡市の多さが浮き彫りに。救急車は搭載する医療機器も含めると1台約3千万円という。21台中0台で、過去にも記録がないという北九州市消防局は「福岡市がうらやましい」と漏らす。

 福岡市で近年目立つのは個人からの寄贈で、2008年以降の14台中13台を占める。市消防局は「本人が車を目にすると喜んでもらえる」と、同年ごろから寄贈者に対し、救急車に名前を入れることを提案。名前入りの救急車を見かけた別の市民が寄贈した例や、寄贈のニュースを市政だよりで見て「自分も贈りたい」という問い合わせもあるという。

 「名入れ」のほかにも、福岡独特の感謝の示し方がある。救急車は耐用年数内でも、ある程度古くなると現役車両の故障時などに備える「予備車」にするのが一般的だが、福岡市では寄贈車については現場で使い続ける。それが「恩返しになる」という考えだ。その分、街で見かける機会も多くなるわけで、寄贈した人がその活躍を知ってまた寄贈する「リピーター」もいるという。

 「両親も私も救急車に運ばれてお世話になった経験があった。『救急車を贈りたい』というのは、父の遺志でもあった」。福岡市の動物病院院長、中岡典子さん(56)は6月、母親と連名で寄贈。消防局から提案を受け、父の名前と動物病院のマークを車体に入れた。「実際に走っているのを見て『誰かが助かっているかも』と思った」と中岡さん。

 市消防局は寄贈の多さについて「寄贈車が寄贈を呼ぶ広報効果があるのかもしれない」と推測。中岡さんは「(父の名前が入った)救急車が走ることが新たな寄贈につながることがあれば、こんなにありがたいことはない」と話している。

出典: nishinippon.co.jp

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