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英語民間試験活用「目的と手段が逆転した」 東大副学長

2018/10/11 12:57
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 2020年度から始まる大学入学共通テストをめぐり、東京大学の入試監理委員会が9月、基本方針をまとめた。新たに導入される英語の民間試験について、成績提出を必須としない内容だ。民間試験をめぐる同大のワーキング・グループ(WG)座長を務め、同委員会の一員として議論に加わった石井洋二郎理事・副学長に、経緯や意図を聞いた。

提案2:認定試験をめぐる諸課題への対応について文部科学省ほか関係機関からの具体的かつ詳細な説明を受け、十分に納得のいく回答が得られたらその時点で認定試験の活用可能性について検討する。

提案3:認定試験の(CEFRで)A2レベル以上の結果を出願資格とするが、一定の条件のもとに例外を認める余地を残し、可及的速やかに具体的な要件を定める。

 しかし、民間試験の活用について多くの課題が指摘されているのに、拙速な結論を出すことはできません。「課題があっても走り出さないと改革はできない」と言う人もいますが、それはあくまで一般論で、受験生の進路や将来にかかわる問題は別です。

 国立大学協会は昨年11月、「全受験生に両方の試験を課す」という基本方針を公表しました。東大はその前から慎重な検討を求める意見を国大協に伝えており、方針の公表後も何度か修正を求めましたが、結局反映されないまま、今年3月末にガイドラインが公表されました。

 そこで、この5月にWGを作って7月に答申をまとめ、さらに入試監理委員会で議論して9月末に方針を出したわけです。決して放置していたわけではありません。

 異なる民間試験の成績を公平・公正に比較することは困難ですし、経済的に豊かでない生徒や地方の生徒が不利になるという問題もあります。これらの課題が依然として残っているという認識は、WGでも、入試監理委員会でも同じでした。

 しかし、WGが諮問されたのは「民間試験の活用の是非」という点だけだったので、代案を提示するところまでは踏み込んでいません。そこで、入試監理委員会では、入試改革が目指している方向という本来の「目的」に立ち返って議論したわけです。

 今回の改革で一番問題なのは、途中から目的と手段が逆転してしまったことだと思います。これからの時代を生きるために英語のコミュニケーション能力が必要であることは明らかですし、WGの答申もその目的自体を否定してはいません。

 ただ、本来はまず高校教育で基礎力を養い、その成果を問うために大学入試があるはずなのに、入試を変えることで高校教育を変えようとする発想で議論が進んできた。これは逆立ちした考え方です。

 民間試験はあくまで手段のひとつでしかないのに、スピーキングが含まれているというだけで、これを活用することがいつのまにか目的化してしまった。これでは高校の授業が民間試験対策に走ってしまい、教育がゆがめられてしまう恐れがあります。

出典: asahi.com

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