アングル:離婚で失った老後資金、どう再建するか

2018/08/12 1:09

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[ニューヨーク 7日 ロイター] - 離婚は、米フロリダ州オーランド近郊に住むデニス・ノルトさんの定年後の計画を1度ならず2度までもめちゃくちゃにした。

1度目は20年以上も前のこと。「すべてが台無しになった」とノルトさんは言う。金銭的にゼロからの再スタートを余儀なくされたからだ。2度目の離婚も大きな痛手だったが、1度目よりも準備はできていたという。

1度目と2度目の離婚の間、元セラピストで公認ファイナンシャルプランナーの資格をもつノルトさんは、知識を生かしながら少しずつ老後資金を立て直していった。

老後のための資産を手放すことは、離婚において最大の精神的打撃となり得る。家や貯金など、夫婦が通常分与する他の資産は共同口座で管理されているのが普通だ。

個人退職口座(IRA)や確定拠出年金(401k)を分けるには法的文書が必要となる。夫婦はそれらを半分ずつ分けるか、あるいはもっと創造的なやり方で資産を交換するか選ぶことになる。

所得や貯蓄が対等な場合、夫婦はそれぞれの資産を手に離婚することもある。それがどうであれ、夫婦が手にするのは、結婚生活を続けていた場合よりも少ない額となる。

米国では一般的に、離婚した世帯は、そうではない世帯と比べて、純資産が約3割少なく、老後資金が足りなくなるリスクが7ポイント高いことが、ボストン・カレッジ退職研究センターの新たな研究で明らかになった。

初めは「泣いてばかり」と、ミシェル・ブオニンコントリさんは言う。彼女はアリゾナ州スコッツデール在住の公認ファイナンシャルプランナーで、離婚時の財産分与などをアドバイスするアナリスト(CDFA)でもある。

離婚が成立した場合、401kから25万ドル(約2800万円)失う可能性があるが、積み立て額は年間1万8500ドル、50歳以上なら、同2万4500ドルに限られている。IRAなどの場合、年齢や所得によって異なるが、年間5500ドルまでしか積み立てることができない。年金は強固な壁で完全に守られている。

前出のノルトさんの場合、2つの家計を維持し、弁護士費用を支払い、離婚調停資金を出すため、加入していた小規模事業主向けのIRAすべてを現金化しなくてはならなかったが、1度目の離婚後、時が味方になることを彼は分かっていた。

ファイナンシャルプランナーのローズ・スワンガーさんには、似たような状況にあった高所得者のクライアントがいた。離婚により、7桁あった401kの残高は半分になってしまい、とても落ち込んでいた。

婚姻時は家事専業で子どもの面倒をみていた配偶者、あるいは稼ぎが少なかった方の配偶者の年金事情にも課題がある。定年を超えていた場合はもっと複雑だ。所得がない限り、401kやIRAに積み立てることができないからだ。公的年金はカウントしない。

このクライアントは他の資産やフリーランスの仕事で得たささやかな所得で生計を立てることにした。この戦略の鍵は、彼女の税率区分の低さを利用することにある。

受け取った税引き前のIRAからなるべく多くの額を、非課税で資産を増やせるロスIRAに移転するのだ。移転した資産にかかる所得税は支払わねばならないが、その後はロスIRAの口座にある資産は非課税で増やすことができる。通常のIRAでは70.5歳になったら義務付けられている最低限の引き出し額に縛られることもない。

「彼女は完全にパニックになってやってきたが、慎ましい生活を続け、公的年金の給付を遅らせれば、きっと大丈夫なはず」とプレスコットさんは語った。

出典: jp.reuters.com

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