「妖怪」と座れるベンチ 不気味にインスタ映え 兵庫

2018/02/19 0:58

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 池の中から姿を現すリアルで怖い河童(かっぱ)など、「妖怪」を活用した町おこしで知られる兵庫県福崎町で、妖怪の像と一緒に座れるベンチが3月下旬に新たに7基お目見えする。「遠野物語」や「妖怪談義」などを著したことで知られる民俗学者・柳田国男(1875~1962)の出身地で、柳田の著書に出てくる妖怪の写真を撮りながら町内を散策する「妖怪めぐり」が楽しめそうだ。

 妖怪ベンチは昨年3月、JR播但線の福崎駅前に将棋を指す河童の「ガジロウ」、辻川山公園(同町西田原)に天狗(てんぐ)の計2基が登場した。ベンチの増設は新たな観光客の掘り起こしが狙い。妖怪と一緒に座って記念撮影ができるのが売りで、「インスタ映え」も意識したという。

 新たなベンチの登場を前に、町内の妖怪の「名所」を歩いてみた。福崎駅でおりて、駅前にある河童のベンチに向かうと、将棋ブームもあってか、子どもたちが河童と一緒に写真を撮っていた。続いて妖怪ベンチが設置される予定の温泉施設(雪女)▽寿司(すし)店(天狗)▽肉店(猫また)▽スーパー(鬼)とまわり、河童伝説が残る市川のほとりの「駒ケ岩」へ向かった。

 柳田は著書「故郷七十年」で、「子供のころに、市川で泳いでいると(河童に)お尻をぬかれるという話がよくあった」などと記している。大きな岩の上から川の中をのぞきこむと、まるで河童が飛び出してくるような感覚に襲われた。

 その後も市川の東側で、ベンチを置く予定の肉店(海坊主)、町役場近くのパン店(一反もめん)などをまわった後、妖怪の「聖地」の辻川山公園へと足を伸ばした。

 公園は池の中から姿を現す「河次郎(がじろう)」ら3匹の河童や、小屋から飛び出す天狗の像などで人気を集め、駐車場は満車になっていた。ここには「油すまし」のベンチが置かれる予定で、妖怪とふれあいながら散策できると感じた。

 昨夏から河童のケーキを販売する喫茶・ケーキ店「レ・ボ・プロバンス」の前には、一つ目小僧のベンチが設置される予定という。山崎寛史店長(39)は「妖怪ベンチの設置で、お店を知るきっかけにしてもらえたら」と期待を寄せる。

 「辻川山公園の池の水がきれいにならないので、逆手にとって池から河童を出せないか」。妖怪による一連の町おこしのきっかけは2013年4月、当時の町幹部から町職員への提案だった。翌年2月、池から飛び出す河童の像を設けると、「リアルで不気味」と話題を呼んだ。

 それを皮切りに、「全国妖怪造形コンテスト」も開催。最優秀賞に選ばれた作品をモチーフにした妖怪の像も、次々と公園内に設置。河童のカレー、プラモデルの販売なども進めてきた。その効果もあって町を訪れる観光客数は13年度の約24万8千人から、16年度は約41万5千人に急増した。

出典: asahi.com

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