政権の姿勢に反感・経済政策が優先…沖縄民意、悩み抜き

2018/09/30 15:10

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を最大の争点に行われた沖縄県知事選。有権者は悩み、揺れながら、それぞれの思いを託した。

 宜野湾市の食品卸売業、砂川大介さん(36)は、玉城デニー氏に投票した。前回の知事選では辺野古の埋め立てを承認した仲井真弘多(ひろかず)氏に入れたが、この4年間で沖縄の意見を聞こうとしない政権の姿勢に反感が募った。

 高校進学のため離島から宜野湾市に来て約20年。普天間飛行場の騒音には慣れてきたが、それでも「うるさい」と思う。米軍ヘリの墜落や部品の落下事故もあり、身の危険を感じる。

 普天間飛行場の移設先とされる名護市。中学校教諭の宮城直介さん(45)も玉城氏に投票した。これまでも、選挙のたびに移設反対の候補に投票してきた。

 北谷(ちゃたん)町の会社員、前原紀子さん(39)も玉城氏を支持した。シングルマザーとして中学3年から4歳まで3人の子を育てる。昨年12月、普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校にヘリの窓が落ちた事故は、我がことのように胸に迫った。

 「翁長さんは命を削って物言う姿勢を貫いた。玉城さんにもその心意気があると思う」。政府と緊張関係を保つことが米軍の監視にもつながると考えている。

 一方、糸満市の飲食店経営男性(36)は佐喜真淳氏に投票した。「玉城さんだと『基地問題が最優先』という政治が続いてしまう。一度リセットしたほうがいい」と思ったからだ。

 高校卒業後、東海地方の自動車工場で期間工として働いた。沖縄出身の同僚には、借金返済のための出稼ぎ者もいた。今も周りには経済的に苦労する母子家庭もある。「僕らから下の世代にとって貧困ってリアル。基地ってそれより大事な問題ですか」。平和運動に熱心な親族から玉城氏への投票の呼びかけがあったが、あいまいな返事を続けた。

 那覇市の予備校生、新垣黎さん(18)も佐喜真氏に投票した。投票前に基地問題の様々な意見を取り上げた動画を見た。「反対を繰り返しても普天間返還は進まない」という指摘に納得できた。今、大学進学に向けて勉強中。条件のよい奨学金が得られるか不安だ。「基地よりも身近な生活に関わる政策を優先して」。生まれて初めての一票に、そんな願いを込めた。

 佐喜真氏に投票した宜野湾市のデイサービス会社事務員、諸見里裕子さん(34)は、ぎりぎりまで迷った。長女(6)は今春、米軍ヘリの窓が落下する事故が起きた普天間第二小に入学。校庭の屋根つき避難所にたびたび避難している。

 辺野古移設には反対。だが、「暮らし最優先」を掲げる佐喜真氏への期待が上回った。移設問題解決に向けた具体的な道筋が少しでも見えていたら玉城氏に入れただろう、と思う。

出典: asahi.com

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