消費増税から1年、県内業界は… 回復の兆し、芽吹く春|山形新聞

2015/03/31 22:57

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消費増税から1年、県内業界は… 回復の兆し、芽吹く春|山形新聞

 昨年4月の消費税増税から1年が過ぎた。国内景気はまだら模様で、個人消費は戻らず、家計の実感とかけ離れた株高ばかりが目立つ。地方の中小企業は、物価上昇に見合うだけの賃上げもままならない状況だ。ただ、増税前の駆け込み需要の反動で消費が落ち込んだ昨春から、少しずつ持ち直し始めているという。小売店などに状況を聞いてみたが、さて―。

 県がまとめた山形市の消費者物価指数を見ると、2014年平均の指数は13年平均より全体で3.0%上昇した。消費税の引き上げ率と同率だが、内訳では食料が4.6%アップ、光熱・水道が6.5%アップと生活に密着した項目で上昇幅が大きい。

 鶴岡市内で10店舗のスーパーを展開している主婦の店鶴岡店によると、増税前の駆け込み需要の反動減からは持ち直しつつあるが、全体的には1人当たりの買い上げ点数が減少気味。同市千石町のミーナ店(工藤均店長)では、野菜の農家直販コーナーを充実させ、生鮮食品で小分けのパックを増やした。工藤店長は「ニーズに合わせた価格や分量の商品をそろえたい」と話す。

 家電量販店も昨年3月後半は駆け込み需要に沸き、山形市嶋南4丁目のケーズデンキ山形北本店では、土日の駐車場は満車状態が続いた。しかし、4、5月は一転し、反動減に伴う落ち込みが響いた。6月以降は徐々に回復し、現在は駆け込み需要の前の水準までは戻ったという。

 ただ、増税前と後では消費者の買い物行動に変化が見られるという。現在の売れ筋はテレビであれば高画質の4K、エアコンや冷蔵庫は省エネ性能に優れた商品だ。佐々木博国副店長は「消費者は安物買いより、品質の高い商品や機能性に優れた商品を求める傾向に変わってきている」と話した。

 衣料品や装飾品を扱う百貨店の状況はどうか。山形市の十字屋山形店によると、衣料品は当初夏ごろには回復するとみられていたが、秋冬商戦まで厳しい状況が続いたという。消費税増税の影響ばかりではなく社会に漂う閉塞感が心理に影響したのではないかと後藤充志店長は分析する。

 しかし、今年2月ごろからは消費に力強さを感じられるようになった。春物の中価格帯の衣料品の動きが活発化しているといい、後藤店長は「購買意欲が一部の高所得者だけでなく、幅広い層に拡大してきているのではないか」とする。3月最後の日曜となった29日は、駆け込み需要のあった昨年同時期を超える売り上げを記録しており、明るい兆しが見えつつある。

 山形運輸支局がまとめた県内の新車乗用車登録台数によると、2015年に入り、駆け込み需要があった前年比ではマイナスだが、13年の水準まで徐々に回復傾向にある。メーカー各社は新型車や特別仕様車を投入するなど、消費者の購買意欲を刺激している。

 ディーラーのトヨタカローラ山形(山形市)の大沼芳美取締役車両部長は「ここ最近は13年と比べれば決して悪くはない。増税前の水準に戻りつつある」と説明。増税後は車本来の魅力を伝えるため、試乗してもらえるようPRに力を入れた。「ユーザーの車の乗り方に合わせた提案をしていくことがより求められている」と語った。

 消費者は家計への影響を、どのように捉えているのだろうか。山形市消費者連合会の五十嵐優子会長は「たかが3%ではなく、大きな3%だ。生活が一層厳しくなった」と強調する。

出典: yamagata-np.jp

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