社会保障、充実と膨張 歳入不足…「焼け石に水」:イザ!

2015/03/31 23:00

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 昨年10月、国の医療費助成対象に選ばれた難病の一つで、全身の軟骨組織で繰り返し炎症を起こす再発性多発軟骨炎(RP)の患者会(福岡県)の永松勝利代表(51)は、8%への消費税率引き上げをこう評価する。増税による財源で、国の難病支援が大きく転換したためだ。

 厚生労働省によると、国の難病対策は昭和47年に本格的に始まり、この40年間は56疾患(平成23年度末で約78万人)を対象に医療費を助成してきた。難病は完治がほぼ不可能なため、高齢化の進展とともに患者数は増え、予算額は10年前の2倍超に膨らんだ。

 医療費助成の対象になれば、大半の人は自己負担が数千円程度で済む。一方、対象外の難病患者は一般患者と同じ高額療養費制度を活用するしかなく、低所得者でも数万円の医療費を自己負担しなくてはならない。永松代表によると、RP患者の医療費は月平均約3万円。病気を発症すると収入が激減する人が多く、医療費は重い負担だ。出費を抑えようと薬の服用を少なくし、症状が悪化する人もいたという。

 国の難病対策が進んだのは、24年の社会保障と税の一体改革で、消費税増税の増収分を財源とする社会保障の充実策の実施が決まったためだ。27年度は子育て支援など社会保障の充実策計1兆3500億円のうち、難病支援には約2千億円(国・地方)を投じ、医療費助成の対象となる指定難病を56疾患から約300疾患(約150万人)に拡大する。難病の一つ、潰瘍性大腸炎を克服した安倍晋三首相が「難病から回復し首相となった私には天命とも呼ぶべき責任がある」として、対策強化を打ち出したことも追い風になった。

出典: iza.ne.jp

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