顕信の映画完成、11月岡山公開 本田監督「心に響く句あるはず」: 山陽新聞デジタル|さんデジ

2018/10/21 2:58

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 赤磐市出身の映像作家本田孝義監督(49)=東京=が、岡山市出身の自由律俳人住宅顕信(すみたくけんしん)(1961~87年)の生涯や作品世界に迫った映画「ずぶぬれて犬ころ」が完成した。岡山映画祭の上映作品として、11月11日午後1時から、岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町)で公開される。

 急性骨髄性白血病のため25歳で亡くなるまで、出家、結婚、離婚、闘病しながらの子育て―と波乱に満ちた人生を送った顕信。その魂の句に魅せられた本田監督が、インターネットで資金を募る「クラウドファンディング」などで製作費を調達し、本紙朝刊の連載記事をまとめた「生きいそぎの俳人 住宅顕信」(横田賢一著、七つ森書館刊)を原作に映画化した。

 これまでドキュメンタリーを手掛けてきた本田監督にとって初の劇映画。「顕信が生きた街の空気の中で撮影したい」と昨秋、オール岡山ロケを敢行、僧侶となった顕信が実家に設けた仏間や、昭和の面影が残る奉還町商店街などが映し出される。

 物語は現代から始まる。いじめを受ける中学生の明彦は、教頭の諸岡から教え子だったという顕信の句集を借り、心の叫びともいえる句に触れ、彼の劇的な人生に引かれてゆく―。

 明彦の暮らしと、顕信の生きた過去が行き来するように展開する。「顕信の句が『今』どのように受け止められるか、という視点を組み込むことができたのではないでしょうか」と本田監督。

 製作にあたって遺族らに取材し、顕信の作品や人生と向き合った。そこで感じた「俳句への情熱と、死への恐怖という二面性」を、俳優・木口健太が繊細に表現。向こう見ずな少年時代から、さまざまな挫折や葛藤を経て、病と闘いながら作句にすべてを注ぎ込んでゆく顕信の姿を丁寧に描き出した。

 いじめに苦しむ明彦の心情に寄り添うように、句は登場する。監督自身も仕事に行き詰まったとき、顕信の作品に救われた経験がある。「句からにじむ顕信の影や暗さが、逆に『もっと生きていいんだ』と励まされているように感じた」と自身と明彦の姿を重ねる。

出典: sanyonews.jp

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